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MEMOSHIN

カルメラのピアニスト、パクシンによる日々の出来事をパクシン目線で見たブログ

フランス人が叫んだ話

家族

スイーツ男子です。パクシンです。

 
男子にしては甘いものが好きなわたくし。疲れると甘いもの欲しちゃう体です。糖尿病まっしぐら…
 

父親はフランス人

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男子にしては甘い物が好きなパクシンは、男子にしては身体の造りが繊細です。冬は膝掛け、夏は氷なしのお水など、気を付けないとすぐ体調を崩してきまいます。兄妹3人とも同じような身体なので今でも妹には
 
 
『お兄ちゃんがこの仕事して昼夜逆転したり、あっちこっち移動の日々を耐えてるのが信じられへん』
 
 
と言われます。確かに自分でもそう思うけど、自分でもコントロールの仕方が分かってきたからじゃないかなと。そんな事をこないだ実家にいる時に、たまたま居合わせた妹と話していたんですよ。こんな事気を付けた方がいいよー、おかしいと思ったらこの薬飲んだ方がいいよー、とかそんな話をね。妹としてました。
 
 
 
 
半袖に毛布一枚で、大イビキをかいて寝ている父親の前で。
 
 
 
 
 
何なんや…この差は…
 
 
 
敷き布団はなし。絨毯の上で転がって寝てしまったから毛布をかけてあげた。そんなスタイルで眠る親父。暖房もつけていません。加えて、寝起きには氷水をガブ飲み。
 
 
 
何なんや…この不条理感…
 
 
 
この遺伝が全然上手く行ってへん感じ…
 
 
 
 
そういえば食べ物の好き嫌いもかなり違う。
 
在日韓国人の家庭では昔から食卓に当たり前のように並ぶキムチ。親父はこれを全然食べません。あろうことか
 
 
 
 
 
 
『たくわんないんか?』
 
 
 
 
 
 
とか言っちゃう。韓国人なのに。何というキャラのブレ方。
 
韓国料理もあまり好物っていう感じではないみたいで、そんな父親を不思議に思ったある日、好物は?と聞いてみたら
 
 
 
 
 
『わし好きなんはスパゲッティや』
 
 
 
 
 
と答えられたのを覚えてます。
何たるキャラのブレ方。あと俺、親父が好きこのんでスパゲッティ食べてるとこ見た事ない。おかんにスパゲッティを夕飯にリクエストしてるとこも見た事ない。見た事も聞いた事もない、幻の父親の好物…
 
 
 
身体が尋常じゃないぐらい強く丈夫で、食べ物の好みもそんな父親。
 
 
 
 
『親父は何人かわからんな〜』
 
 
 
 
そんな話を家族でしてたら
 
 
 
 
 
 
 
『わしはフランス人やからな!』
 
 
 
 
 
 
っていうまさかの回答が飛んできました。
 
 
 
 
フランス人…
 
 
 
 
 
スパゲッティはイタリア…
 
 
 
 
 
フランス…
 
 
 
 
うん…まぁいいか。適当に答えてるだけやろうし。
 
 
 
それからというもの、父親の自称フランス人というネタがじわじわと家族の中で流行り出して、父親のいないところで彼の会話になると
 
 
『まぁお父さんはフランス人やからな〜』
 
 
って言葉で話を結んで面白がってました。
 
 
そんなノリが定着してしばらく経ったある日の、久々に家族が揃った夕食の席。この日のメニューは韓国風の煮魚だったんですけど、父親はこれが苦手。と言っても他にもおかずのメニューはあって、父親好みのものも母は用意するんですが、その煮魚があるだけで少し機嫌が悪い父。酒が入り出すと母との会話が喧嘩腰になるし、猪が人間になったような性格の母も負けていないので、このまま放っておくと面倒臭い事になると判断した僕は、話題を探して父の気を逸らし、機嫌をよくしようと努めました。妹たちもそんな僕の会話に乗ってきて、ちょっと前までピリピリしてた食卓が少し和やかなムードに。
 
心の中で
 
 
"良かった…今日は揉めずに済みそうや…"
 
 
と思っていた矢先、母親からまさかの
 
 
『煮魚も美味しいやん。たまにはちゃんと魚炊いたやつも食べなあかんわ』
 
 
の一言が。
 
 
わかる!わかる!おかんの気持ちはようわかる!!わかんねん!
 
 
でも息子はこの後どうなるか分かってんねん!
 
 
でも多分おかんも分かってんねんやろ!
分かってて言ってんねんやろ!それはあきまへんで!!
 
 
あかん!あかん!あかーーーん!!
 
 
と思いながらチラッと父親の顔を見ると案の定、案の定しかめっ面。
 
 
この後のパターンとしては母親の
 
 
『なんやのん?』
 
 
という言葉に対して父親の
 
 
『なんやわしに何か文句あるんか?』
 
 
という、お決まりの挨拶のようなやりとりから始まる夫婦喧嘩。
 
 
そうなる事だけは防ぎたい!兄妹3人の安息のために。家族の団欒のために。
 
 
 
今や!
 
 
 
今やったら言える!これ使うしかない!
 
 
 
 
そう思った僕は、ワナワナし始めている父親の前で、母親に向かいこう言いました。
 
 
 
『おかん、しゃあないって。おとんはこういう系の煮魚は苦手やって知ってるやん。だって…』
 
 
 
そう。だって…
 
 
 
 
 
 
 
『だっておとん、フランス人やねんから』
 
 
 
 
 
 
言った!言ったで!!このピリピリした雰囲気の中で!!!
 
 
 
"お前ふざけとんのか?"
 
 
 
その一言が父親から飛んでくる可能性も充分考えられる中でのこの一言。正直、際どいと思った。
 
 
"大丈夫か?大丈夫なのか!?"
 
 
 
 
そう思いながら父親の方を恐る恐る見てみると、父親と目が合った。
 
 
 
"あっこれは無理やったやつやな。夫婦喧嘩止めようとして親子喧嘩になるパターンにファイナルアンサーお疲れ様でした俺"
 
 
そう思って覚悟を決めました。
 
 
 
バチーンッ!と勢いよく箸を置いた父親。
 
 
 
まず一発目に出てくるのは怒鳴り声か、それともちゃぶ台返しか…!?
 
 
 
どっちでも良いように身構えていると、父親はもの凄く強い声で一言
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『デリシャスッ!!!』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いや美味いんかーい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
フランス人ちゃうかったんかーーい
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなツッコミをしたら
 
 
 
『父親の事を友達か何かと勘違いすんな』
 
 
っていう理由で怒られました。謎の親の威厳誇示したいモードで。
 
 
 
 
結局機嫌悪かったんかい!
 
 
 
 
そんな事を昨日、実家で食べたサンマの韓国風煮魚を食べながら思い出しました。
 
 
 
美味しい美味しいと言いながら食べる僕を見て、嬉しそうな顔をする母親。
 
 
 
『本当はもっと作りたいんやけどお父さんが嫌いやからな〜』
 
 
 
そう言った後
 
 
 
 
『お父さん、フランス人やからな〜』
 
 
 
とそう言う母を見て、こんな事もあったなぁと懐かしさと面白さがこみ上げて来て、何だか嬉しくなった朝ご飯でした。
 
 
これから帰る時はしばらく煮魚をリクエストしてみようか。そうすれば母親が食べれる口実になるし、険悪なムードになっても、もしかしたらもう一度父親の『デリシャス』を聞けるかもしれないし。そうしてみよう。
 
 
 
そう思いながら、東京へ帰る車中の中からお届け致しました。
 
 
 
以上、パクシンでした!