SOFFetと一緒に。
テレビに出ている芸能人って、いつ自分が芸能人であることを実感するんですかね。
出演している番組をたまたま見ていた友人や親戚から、テンション高めな連絡があったとき?
街を歩いてるときに知らない人からサインや握手、写真を求められたとき?
色々あるでしょうけど、いつか誰かがTVで
『自分にとってはTVの画面の中の人だったタモリさんと、いま一緒にお仕事をしているってのが不思議で。芸能人になったんだなぁと実感した』
みたいなこと言ってたんですよ。それが誰なのか微塵も覚えてないんですけど。
実際のところ、他にも実感するタイミングなんかいっぱいあっただろうけど、憧れの人と同じ舞台に立つというのは、色々な感情が混ざりあってそれはもう特別なんでしょう。
それにタモリやし。
これはミュージシャンに置き換えてもほとんど一致すると思います。もちろん、これ以外に実感できるタイミングはたくさんあるけど、やっぱり憧れの人と一緒の舞台に立った時に感じることって特別だと思う。
中高時代僕はラジオキッズでした。fm802フリークで、制服の内ポケット忍ばせたラジオからイヤホンを服の中に這わせて襟から出し、髪に忍ばせてほおずえを付きながらイヤホンをしてる耳を隠すという技術を身につけるぐらい、授業中でもずっと聴いてました。
特に中学時代は、他の皆がTVで流行りの音楽を追っている中、ラジオで色々な音楽を知って、それを聴いていることに優越感みたいなものを感じていました。
『うわ〜皆とちょっと違うおれ大人やわ〜おれめっちゃ大人やわ〜おしゃれってこういうことなんちゃうん!もしかして!』
とかマジで思ってるぐらい、相当重度な中二病だった訳です。
J-POPもロックもジャズも。邦楽洋楽関係なく、色々なものを知れたし、お小遣いが少なくてCDをあまり買えなかった僕にとっては、今考えると教科書であり、息抜きのツールであり、ワクワクの元でもある極上のエンタメでした。
月替わりのパワープッシュ曲は”今月のヘビーローテーション”として一日中頻繁に流れるんですけど、当時は月が変わると
『今月のヘビーローテーションはどんな曲だろう!』
とすごくワクワク楽しみにしていました。そんな中、今でも初めて聴いた時の衝撃が思い出せるぐらい、心が動いた曲があります。
それがSOFFetの『君がいるなら』
もうハマりにハマりまくって、必死にラジオから流れてるこの曲をMDに録音して何回も聴いて、ついにCDも買って、そこに入ってる他の曲たちも何度も何度も聴いてさらにどんどんハマっていって。そんなに僕がハマっているもんだから、妹たちも自然に連られてハマり、子供たちが家の車で移動するときに聴くもんだから両親も好きになり、家族全員がSOFFetのことを好きになるという現象が起きました。こんなこと後にも先にも記憶がないぐらい。
自分の父親が
『オーマイガーこーいのよかーん』
とか口ずさみだした時は兄弟で爆笑したけど、何かとっても嬉しくて。これを書きながらもちょっと思い出し笑いできる。
それからもラジオをずっと聴いていた僕は色々な音楽を知って、もちろんジャズに傾倒したり、雑多な嗜好を持ちながら大学生になり、軽音楽部に入ってバンドの楽しさを知り、カルメラに加入しました。
はじめはバンドで生計を立てることや、ずっと続けていく考えなんてあまりなかったのに、やりがいや楽しさ、しんどい事を乗り越えた時の達成感、お客さんをはじめとして、支えてくれる人たちが増えていくありがたさにより、気付けば大学を卒業しても続けていました。
そしてついに初めて大型野外フェスに出ることができました。
それが僕たちが特別に大事に思っている福岡の『SUNSET LIVE』です。
そんな大舞台で、遂に出会えたのがSOFFetのお二人でした。
緊張というより、うまく表現できなかったけど何だかあまり話さない方が良い気がして、簡単な挨拶程度しかできなかったのが初めてのやりとりでした。
そこから他のメンバーが連絡をとるようになり、何度か挨拶をするタイミングもあった中、ある日、とんでもない話が舞い込みました。
billboard live 大阪でSOFFetの周年記念ライブにカルメラが参加するという話でした。
あのSOFFetのライブに参加…
バックバンドを自分のバンドが…自分がピアノを担当する…
嬉しくて嬉しくて。本当に嬉しくて、興奮しすぎてよく分からないテンションになってました。
本番当日にはSOFFetのことが大好きな家族も招待して、今でもあの時の緊張が思い出せるというか、あの時はまだ『夢じゃないかな?』とちょっと思いながら演奏していて、でも歌っている2人の後ろでピアノを弾いているのは紛れもなく自分で。
アンコールのMusic Is My Loveを弾いているときに
『自分はミュージシャンなんだ。ミュージシャンとして憧れていた人たちと一緒に、こんな大きな舞台で演奏している自分は紛れもなくミュージシャンなんだ。この人たちと一緒に、この人たちと同じように、お客さんをあの頃の自分のように感動させているんだ』
そう思ったのを鮮明に覚えています。
夢見心地の時間が終わり、その後の打ち上げではお酒の力で緊張が解けたというのもあって、遂に涙腺が崩壊。
気づけばSOFFetのお二人に、二人と一緒にできて本当に嬉しいこと、二人が大好きなこと、二人が作る音楽が大好きなこと、自分にとってこの日がどんなに嬉しくて大きな出来事になったか、そんなことをぐちゃぐちゃになりながら言っていました。
多分、感情がまとまってなくて何言ってるか分からなかったやろうけど、二人はそんな僕を見て爆笑しながらも、アツい言葉をかけてくれました。
その時の写真。
この話がカルメラのメンバーやSOFFetのメンバーの中で今でも笑いのネタにされるのが分かるぐらい、何かぐちゃぐちゃな俺。
そして、その大阪公演の後、横浜モーションブルーでの公演も実現し、先日は福岡のアーリービリーバーズにSOFFet×カルメラとして行くことができました。
有難いことにソールドアウトで満員御礼の中、会心のステージができたけど、本当にこの組み合わせでできることが嬉しくて、終わって欲しくなかった。
そんな気持ちになるぐらい楽しくて、好評の声を頂いたので、また絶対にこの二組で九州に来ます。
そして、九州だけじゃなくて、日本全国でもっともっとSOFFet×カルメラをやりたい!やります。
正直、まだSOFFetの二人を前にしたときには普通の先輩のようには話せないけど、この先もっともっとやるに連れて慣れていければ。
何よりも、どこかでこの気持ちを記しておきたかった。あの時の自分に伝えたいし、見て欲しい。
シンプルに『すげぇぇぇぇええええ!!!!』
って喜んだやろうな。過去の自分に喜んでもらえる、驚かれるような存在になれてると考えたらやってて良かったと思える。
これからも、過去の自分に誇れるような自分になって行けるようもっともっと頑張って行きます。
そして、あのとき、夢と憧れを与えてくれたSOFFetのような存在に、次は自分がならないと行けない番。
僕はこれからもミュージシャンとして、あの日のSOFFetが僕にくれたように、夢や憧れを与えていけるような存在になります!
よっしゃ!気持ちをいろいろまとめて整理したらやる気出てきた!
今年はまだまだ忙しい日々が続きます!!全国各地で皆さんお会いしましょう!!!
最後は福岡公演終わりにSOFFetのGooFさんと撮った写真!
以上パクシンでした!