MEMOSHIN

カルメラのピアニスト、パクシンによる日々の出来事をパクシン目線で見たブログ

SOFFetと一緒に。

テレビに出ている芸能人って、いつ自分が芸能人であることを実感するんですかね。

 
出演している番組をたまたま見ていた友人や親戚から、テンション高めな連絡があったとき?
 
街を歩いてるときに知らない人からサインや握手、写真を求められたとき?
 
 
色々あるでしょうけど、いつか誰かがTVで
 
『自分にとってはTVの画面の中の人だったタモリさんと、いま一緒にお仕事をしているってのが不思議で。芸能人になったんだなぁと実感した』
 
みたいなこと言ってたんですよ。それが誰なのか微塵も覚えてないんですけど。
 
実際のところ、他にも実感するタイミングなんかいっぱいあっただろうけど、憧れの人と同じ舞台に立つというのは、色々な感情が混ざりあってそれはもう特別なんでしょう。
 
それにタモリやし。
 
これはミュージシャンに置き換えてもほとんど一致すると思います。もちろん、これ以外に実感できるタイミングはたくさんあるけど、やっぱり憧れの人と一緒の舞台に立った時に感じることって特別だと思う。
 
中高時代僕はラジオキッズでした。fm802フリークで、制服の内ポケット忍ばせたラジオからイヤホンを服の中に這わせて襟から出し、髪に忍ばせてほおずえを付きながらイヤホンをしてる耳を隠すという技術を身につけるぐらい、授業中でもずっと聴いてました。
 
特に中学時代は、他の皆がTVで流行りの音楽を追っている中、ラジオで色々な音楽を知って、それを聴いていることに優越感みたいなものを感じていました。
 
 
 
『うわ〜皆とちょっと違うおれ大人やわ〜おれめっちゃ大人やわ〜おしゃれってこういうことなんちゃうん!もしかして!』
 
 
とかマジで思ってるぐらい、相当重度な中二病だった訳です。
 
今考えると相当な黒歴史ですけど、ラジオを聴いて色々な音楽を知れたこと自体は全然黒歴史なんかじゃなくて、今でも僕の音楽的嗜好の原点を作ったものだと思ってます。
 
J-POPもロックもジャズも。邦楽洋楽関係なく、色々なものを知れたし、お小遣いが少なくてCDをあまり買えなかった僕にとっては、今考えると教科書であり、息抜きのツールであり、ワクワクの元でもある極上のエンタメでした。
 
月替わりのパワープッシュ曲は”今月のヘビーローテーション”として一日中頻繁に流れるんですけど、当時は月が変わると
 
『今月のヘビーローテーションはどんな曲だろう!』
 
とすごくワクワク楽しみにしていました。そんな中、今でも初めて聴いた時の衝撃が思い出せるぐらい、心が動いた曲があります。
 
 
それがSOFFetの『君がいるなら』
 
 
もうハマりにハマりまくって、必死にラジオから流れてるこの曲をMDに録音して何回も聴いて、ついにCDも買って、そこに入ってる他の曲たちも何度も何度も聴いてさらにどんどんハマっていって。そんなに僕がハマっているもんだから、妹たちも自然に連られてハマり、子供たちが家の車で移動するときに聴くもんだから両親も好きになり、家族全員がSOFFetのことを好きになるという現象が起きました。こんなこと後にも先にも記憶がないぐらい。
 
自分の父親が
 
 
『オーマイガーこーいのよかーん』
 
 
とか口ずさみだした時は兄弟で爆笑したけど、何かとっても嬉しくて。これを書きながらもちょっと思い出し笑いできる。
 
それからもラジオをずっと聴いていた僕は色々な音楽を知って、もちろんジャズに傾倒したり、雑多な嗜好を持ちながら大学生になり、軽音楽部に入ってバンドの楽しさを知り、カルメラに加入しました。
 
はじめはバンドで生計を立てることや、ずっと続けていく考えなんてあまりなかったのに、やりがいや楽しさ、しんどい事を乗り越えた時の達成感、お客さんをはじめとして、支えてくれる人たちが増えていくありがたさにより、気付けば大学を卒業しても続けていました。
 
そしてついに初めて大型野外フェスに出ることができました。
 
それが僕たちが特別に大事に思っている福岡の『SUNSET LIVE』です。
 
そんな大舞台で、遂に出会えたのがSOFFetのお二人でした。
 
あれだけハマったSOFFet。大好きで大好きで何度も聴いて、しまいには家族ごとファンになったSOFFet。そんなSOFFetが目の前にいる。
 
緊張というより、うまく表現できなかったけど何だかあまり話さない方が良い気がして、簡単な挨拶程度しかできなかったのが初めてのやりとりでした。
 
そこから他のメンバーが連絡をとるようになり、何度か挨拶をするタイミングもあった中、ある日、とんでもない話が舞い込みました。
 
billboard live 大阪SOFFetの周年記念ライブにカルメラが参加するという話でした。
 
あのSOFFetのライブに参加…
 
バックバンドを自分のバンドが…自分がピアノを担当する…
 
嬉しくて嬉しくて。本当に嬉しくて、興奮しすぎてよく分からないテンションになってました。
 
本番当日にはSOFFetのことが大好きな家族も招待して、今でもあの時の緊張が思い出せるというか、あの時はまだ『夢じゃないかな?』とちょっと思いながら演奏していて、でも歌っている2人の後ろでピアノを弾いているのは紛れもなく自分で。
 
アンコールのMusic Is My Loveを弾いているときに
 
 
『自分はミュージシャンなんだ。ミュージシャンとして憧れていた人たちと一緒に、こんな大きな舞台で演奏している自分は紛れもなくミュージシャンなんだ。この人たちと一緒に、この人たちと同じように、お客さんをあの頃の自分のように感動させているんだ』
 
そう思ったのを鮮明に覚えています。
 
 
夢見心地の時間が終わり、その後の打ち上げではお酒の力で緊張が解けたというのもあって、遂に涙腺が崩壊。
 
気づけばSOFFetのお二人に、二人と一緒にできて本当に嬉しいこと、二人が大好きなこと、二人が作る音楽が大好きなこと、自分にとってこの日がどんなに嬉しくて大きな出来事になったか、そんなことをぐちゃぐちゃになりながら言っていました。
多分、感情がまとまってなくて何言ってるか分からなかったやろうけど、二人はそんな僕を見て爆笑しながらも、アツい言葉をかけてくれました。
 
その時の写真。

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この話がカルメラのメンバーやSOFFetのメンバーの中で今でも笑いのネタにされるのが分かるぐらい、何かぐちゃぐちゃな俺。
 
 
そして、その大阪公演の後、横浜モーションブルーでの公演も実現し、先日は福岡のアーリービリーバーズにSOFFet×カルメラとして行くことができました。
 
有難いことにソールドアウトで満員御礼の中、会心のステージができたけど、本当にこの組み合わせでできることが嬉しくて、終わって欲しくなかった。
 
そんな気持ちになるぐらい楽しくて、好評の声を頂いたので、また絶対にこの二組で九州に来ます。
 
 
そして、九州だけじゃなくて、日本全国でもっともっとSOFFet×カルメラをやりたい!やります。
 
正直、まだSOFFetの二人を前にしたときには普通の先輩のようには話せないけど、この先もっともっとやるに連れて慣れていければ。
 
 
何よりも、どこかでこの気持ちを記しておきたかった。あの時の自分に伝えたいし、見て欲しい。
 
シンプルに『すげぇぇぇぇええええ!!!!』
 
って喜んだやろうな。過去の自分に喜んでもらえる、驚かれるような存在になれてると考えたらやってて良かったと思える。
これからも、過去の自分に誇れるような自分になって行けるようもっともっと頑張って行きます。
 
そして、あのとき、夢と憧れを与えてくれたSOFFetのような存在に、次は自分がならないと行けない番。
 
僕はこれからもミュージシャンとして、あの日のSOFFetが僕にくれたように、夢や憧れを与えていけるような存在になります!
 
 
よっしゃ!気持ちをいろいろまとめて整理したらやる気出てきた!
 
 
今年はまだまだ忙しい日々が続きます!!全国各地で皆さんお会いしましょう!!!
 
最後は福岡公演終わりにSOFFetのGooFさんと撮った写真!
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以上パクシンでした!

謎の喫茶店と人生初のソロライブのお知らせ

お盆真っ只中ですね。何だか暑さも少しマシになっていて、少し前よりは過ごしやすくて良い感じです。

今日は名古屋に来てまして。野外でのライブなのでこれぐらいの気温は凄く有難いです。

そして名古屋といえば、喫茶店!

喫茶店好きの僕としては、喫茶店文化のメッカとも言える名古屋は凄く魅力的です。来るたびに、ぶらぶらと街を歩いて良さそうな喫茶店を見つけてふらっと入るのです。

今日も、先ほどのリハーサルを終えてぶらぶら。適当な喫茶店を見つけて入りました。

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エ、エライとこに来てしまった…

しかもおばちゃん何喋ってるか全然分からん。

『ごめんお兄ちゃん!換気扇まわして!』

って言われたので、どこですか?と聞くと

『ハチトラのとこ!』

って。ん?ハチトラ?ってなってると、しきりに

『ハチトラのとこ!ハチトラのとこ!違う!もっと奥!ハチトラのとこ!』

って。

ハチトラって何やねん…

って思ってたんです。今でもハチトラのことはよく分からないんですけど、たぶん…これかな…?

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おばちゃん!これ、プーさんやから!!

熊!!

クマやから!!

クマ界でも圧倒的人気と知名度を誇るクマやから!!!

確かに小さいハチ上に乗ってるけど!!

プーさんはトラちゃうから!!!!

いやー…とんでもない店に入ってしまった…

おまけに土足厳禁です。こんなん初めて。

しかし、おばちゃんが自分とこで作ってる甘夏を使ったゼリーをサービスでくれました。

なんかトータルで良い感じ!!

いや〜これからも良いお店探して行きたいですわ。

行きたいお店もいっぱいあるし。

広島のオルガン座ってとこめっちゃ行きたいんですよね〜。

って思ってたら、なんと!!!

なんと!!!!!

そこで僕のソロライブが決定しました!!!!!!

人生初のソロライブ!!!!!!

オルガン座はずっと行きたかった本当に素敵なお店で、そんな所でライブができるなんて。

しかも生ピアノです。

数曲歌えればとも思ってます!

やるぞー!やるぞー!!

大阪や東京ではない、広島という土地の憧れのお店で、初めてのソロライブが出来るっていうのは何だか嬉しい。

関西の方は少し遠いかもですが、もし良かったら是非。九州の方も広島ならまだ近いと思うので(遠いけど)是非来て欲しいです。

この日は初ソロライブということで、来てくれた人への特別な何かを用意しようと思ってます。

『夜のバケーション』

出演者:PAKshin

9/19(土)OPEN19:00/START19:30

会場:音楽喫茶ヲルガン座

http://www.organ-za.com/

予約2,500円/当日3,000円(共に要1オーダー)

ご予約はpakshin.official@gmail.comまで!SNSや口頭でも受け付けております!

オリジナルいっぱいやる!

って事で、もうしばらくこのヘンテコな喫茶店で涼んで今日の本番頑張りたいと思います。

以上パクシンでした。

大阪府立大学インタビュー裏話『チリンチリンを巡るドラマ』

気を抜くと更新が滞ってしまうけど、そんな自分も許してあげるパクシンです。

 
夏らしく色々と忙しくさせて頂いており、ありがたいの一言に尽きるですが、その辺の報告やら近況やら何やらはあまりブログでは綴らないので、色んな情報チェックしたいのに!もう!意地悪!大嫌い!大嫌い!大嫌い!大好き!みたいなパクシンフェチの方いたら是非Twitterとかその辺のSNSで情報キャッチして下さい。あまりブログにそういうところ求めてないから俺は。
 
 
 
 
て事で
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
近況報告しまーす
 
 
 
 
 
 
たまには!たまにはね!
 
 
 
ひとつだけ!ひとつだけ!!
 
 
何とわたくし、先日とあるインタビューを受けました。
 
 
キーボードマガジンやその他の音楽雑誌でもなければ、ananのセックス特集でもなく、おおよそ芸能とは関係ない所ですが、僕にとって思い入れの深い、出身校の大阪府立大学というところからです。
 
大学の広報webサイトに、OBへのインタビューとして掲載されています。宜しければ暇つぶしの一つとして是非見てみてください。
 

michitake.osakafu-u.ac.jp

 
 
 
『何か全体的にホ◯エモンみたいですね。意識してるでしょ?』
 
 
 
みたいなこと言われたけど。ドラ◯モンみたいなシルエットのうちのスタッフに。
 
 
 
 
 
 
してへんわいっっ!!
 
 
 
 
 
ま…まぁ…確かに…二枚目の座ってるアングルの写真…
 
 
完全に『この歳で年収一千万は越えてますけど?』と言わんばかりの、自信ある風なちょっと嫌な奴っぽい座り方してる…気をつけよ…次からはもっと、何ていうか、野菜とか魚を積極的にメニューに取り入れて、毎日バランスよく食事してます風な座り方を心がけよう。
 
まぁそれはさておき、内容の部分は自分の気持ちや経験、今の想いを飾り気なく語ったつもりです。
 
 
 
思えば大学生の時は、取得単位が4単位しかなかった期があり、4年での卒業を諦めかけてたぐらい劣等生だったはずなのにこんなインタビューを受けるなんて。こんな僕の情報をキャッチしてくれ、この依頼をしてくれたことに対して、本当に感謝の一言に尽きます。
 
 
インタビューの中で、大学時代の一番の思い出は?と聞かれた部分があるのですが、そこはうまい感じにふわっと全部って答えてるんですけど実はかなり印象深い出来事がありまして。
 
 
 
 
---ここから下品な内容になりますので、読みたくない方は引き返すことをお勧めします。-----
 
 
 
 
 
 
 
今でも仲の良い藤岡っていう後輩がいてるんですけど、こいつがまぁ従順で人間が出来た良い人なんです。人生において怒ったことがないような人。高校からの付き合いで、大学も一緒で凄くお世話になってます。そんな藤岡が登場人物。
 
それはある時の飲み会で、何故か台所用洗剤をおもちゃにして皆で遊んでたんですけど、それを女子のコップや座るところに分からないようにつけ
 
 
 
 
『やだ!なんかヌルヌルしてるー!!』
 
 
 
っていう言葉を聞いて興奮するという、凄く低俗な遊びをしてました。
 
 
『絶対あんたやろ!』
 
 
と言われても
 
 
『大丈夫!ローションちゃうから!ローションみたいやけどローションちゃうから!洗剤やから!綺麗になるから!今よりもずっと!!』
 
 
と訳の分からない言い訳を通して遊んでました。
 
 
そのうち、いかにして女子の下着に洗剤つけてぬるぬるさせるかを皆で真剣に議論しました。
 
 
 
女子の口から『パンツがぬるぬるする』という言葉を聞きたいが為に、男たちは喧々諤々と白熱した議論を繰り広げたのです。
 
 
その時、天才が現れました。
 
 
 
 
 
 
『スカート履いてる女子のチャリのサドルに洗剤塗れば、運良かったらパンツぬるぬるするんじゃね?』
 
 
 
 
 
 
”神に愛されている!この男は神に愛されているぞ!!”
 
 
 
 
 
その天才の神の啓示とも言える言葉に、男たちはそう歓喜し、次の瞬間全員で外に出て、神の啓示の実践に移りました。
 
 
ターゲットのチャリを洗剤でぬるぬるにするという作業は予想以上に面白い作業で、気付いたら僕はその行為にのめりこんでいました。
 
そして、ついに禁断の、藤岡が嬉々として昨日買ったばかりと語っていたチャリに手を出してしまいました。可愛い後輩のチャリならと、僕はえこ贔屓し、他のよりもまんべんなくぬるぬるにしておきました。
 
 
 
そして、宴会も解散の時間に。帰るためにチャリに乗ろうとする藤岡。
 
 
 
グリップを握った時点で、ん?っていう表情を見せる藤岡。
 
 
 
手についたぬるっとしたものを振り払おうとする藤岡
 
 
 
『誰やねん!も〜!』と笑いながら言ってる藤岡
 
 
 
サドルもぬるっとしてることに気づく藤岡
 
 
 
『誰やねん!も〜!』と再び笑いながら言ってる藤岡
 
 
 
よく見るとチャリ全体がぬるぬるしてることに気づく藤岡
 
 
 
『誰やねん!も〜!』と再び笑いながら言ってる藤岡
 
 
 
『むんくんでしょ〜?』と言ってくる藤岡
 
 
 
否定する俺に対して『またまた〜』と笑いながら言ってくる藤岡
 
 
 
笑いながらティッシュでチャリを拭く藤岡
 
 
 
『絶対むんくんですや〜ん!』と一緒に爆笑してる藤岡
 
 
 
 
次の瞬間、いきなり表情が変わる。
 
 
 
今までの和やかだった雰囲気と打って変わって、すごく緊張感のある顔をしている藤岡。
 
 
 
すると、彼は凄く静かな、冷酷とも言える声のトーンで声を発しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『え……チリンチリンにもついてるやん……』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
え!!!!藤岡!!?え!!!!?
 
 
 
 
 
 
 
待って待って!!!藤岡?え!!?
 
 
 
 
ごめんって!ごめん!!でも!
 
 
 
 
え!!!?
 
 
 
 
 
 
そこ!!!!!!????
 
 
 
 
 
 
お前の怒りの琴線そこ!!!!???
 
 
 
 
 
 
 
チリンチリンが怒りのスイッチってこと!?
 
 
 
 
 
え!!?待って待って!!!
 
 
 
 
 
 
 
めっちゃ舌打ちしてるし。俺お前の舌打ちしてるとこなんか聞いたことないし、想像もできひんぐらいいつも温厚で横で一緒に笑ってくれるのに!
 
 
 
今までも色々あった!
 
 
先輩かもしらんけど、怒られるようなことしてきたと思うで!自分でも!
 
 
それでもいっつも一緒になって笑ってたのに!
 
 
 
 
 
 
 
 
チリンチリンはあかんかったんや…
 
 
 
 
 
 
藤岡、チリンチリンは大事にするタイプの人やったんや…
 
 
 
 
 
ムズない?この怒りスイッチ。だいたい何でも大丈夫な人の、踏み込んだらあかんゾーンがチリンチリンってムズない?てゆうか、そのゾーンに入ってしまった俺も奇跡やけど。。。でも!でも!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チリンチリンてっ!!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後、藤岡に平謝りするも許してもらえる気配はなく、電話もメールも返信なし。挙句のはてに、当時流行っていたmixiにてその晩、藤岡の日記が更新されていました。
 
 
『今までの人生で人に対して怒ったことがない。しかし、俺の人生において、邪魔と感じて関わって欲しくないと思うような人間がこの世にいることが今日分かった。』
 
 
だいたいこんな内容。
 
 
 
 
 
いや、俺やん!!!
 
 
 
 
その関わって欲しくない人間俺やん!
 
 
 
 
 
 
ごめんって!ほんまごめん!!!!
 
 
 
 
 
でもな!でもやで!ほんまに悪かったけど!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チリンチリンて!!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お前の関わりたくない嫌な人間リストに地球上唯一のってる俺の理由が…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チリンチリンて!!!!
 
 
 
 
 
 
 
それでも全然許してくれない藤岡。年末の出来事でしたが、ついに和解することなく新年を迎えました。
 
 
 
 
チリンチリンを汚してしまったことにより、大切な人を失いかけてどうしようもない気持ちで新年を迎えたわけです。
 
 
 
 
 
そして、年が明けた部の行事で藤岡と会い、そこで改めて直接謝りました。
 
 
 
 
 
 
『藤岡、ほんまごめん。お前のチャリにイタズラして。調子のってチリンチリンまでぬるぬるにしてしまって…ほんまごめん』
 
 
 
今考えると、本気の謝罪のテンションで『チリンチリンぬるぬるにしてしまってごめん』なんて言うやつ他にどこにおんねんって思えるぐらい滑稽でしたが、当時の僕は本気でした。
 
 
 
 
 
 
それに対して、藤岡はいつもの笑顔で
 
 
『僕のほうこそすいません。変な感じで年越しになって、お互い嫌でしたね』
 
 
と言ってくれました。ここに来てようやくの和解。
 
 
 
本当に良かったけど、尋常じゃない怒り方してたのに、急にこんなに穏やかになるなんて…と疑問に感じていると、藤岡が語りだしました。
 
 
 
 
『実はその後、完全にぬるぬるをとる為に、ホースから水だしてチャリを洗ったんですよ。そしたら、びっくりするぐらいピカピカになって!』
 
 
 
 
うん。うん…?うん。
 
 
 
 
『チリンチリンもピッッカピカになって嬉しなって僕の中では解決してました!すんません!ありがとうございます!』
 
 
………
 
 
 
 
 
 
 
 
『 チリンチリン♬ 言うてましたわ!』
 
 
 
……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やっぱりチリンチリンやん!!!!
 
 
 
チリンチリンなんやん!!!!
 
 
 
 
 
いやぁ本当にこの深い絆も終わりかと感じさせられた事件でした。これが大学時代一番の思い出。昔から定期的に誰かを怒らせることが得意な僕も、まさかチリンチリンでここまでになるとは思ってもみなかったです。
 
まぁ問題はそこではなく、俺のどうしようもなくダメな人間性なんですけどね、、
 
 
でもしっかり反省し、これを機に藤岡との絆はさらに深まりましたとさ。
 
 
 
 
教訓:人のチリンチリンはそっとしておくこと
 
 
 
 
という訳で、久々の登場でかなりの量になりましたが、読んでくれた皆さんありがとうございました。以上パクシンでした。
 

『パクシンの部屋TOKYO vol.1』と残されたエビチリ

良い人間性っていうのがどういうものなのか、定義することはできないけど、周りで出会う人は素晴らしい人間性を持っている人が多い。
 
『俺もこんな人になれたらな〜』
 
と思うけど、自分にはまだまだ理性で抑えきれないクズ人間な感情があるみたいで、中々良い人になれていないと思う。
会話の中で、あからさまに空気を読まずに出た言葉には
 
『何やねんその発言。めっちゃおもんないやん。』
 
とか普通に思ってしまうし、大人数で中華料理を食べに行ってエビチリが残り最後の1個という場面にでくわしたら、
 
 
『良いよ良いよ誰か食べて下さい』
 
 
という空気を醸し出しながらも、どうやって自分がこの残り一つを食べられるかということを考えている。
 
成功している人の多くは、素晴らしい人間性を持っているとよく聞くし、実際出会ってそう感じた事も多いんですが、たかがエビチリ一個に打算的であさましい感情を持つ自分は、まだ成功者たる人格には程遠いなぁと感じていました。
 
話は変わって、昨夜は下北沢のcafe/fieldにて自分の主催イベント
 
『パクシンの部屋TOKYO』
 
の第一回目でした。今まで、大阪では不定期に開催していましたが、いよいよ根を張ってきた東京で、自分の活動をしようと、今回第一回目にこぎつけました。
 
いつもお世話になっているお店を、自分のホームとして位置付け、毎回ゲストをお呼びして、僕のピアノで伴奏し、その日だけの演奏を届ける。また、僕自身が主導するトークで、ゲストの方の音楽遍歴や人間性、想いなどに触れていく。そんな趣旨と想いで、これから続けようと思っています。
 
さて、そんな第一回目の昨夜、ゲストはオレスカバンドで活動するボーカリストのiCasちゃんに来て頂きました。
 

www.oreskaband.com

 

iCasちゃんは、バンド活動がメインですが、オレスカバンドの楽曲製作を一手に担っているその音楽性と、パワフルで綺麗な歌声に引き込まれていた僕は、気付けば第一回目のゲストとしてオファーしていました。
 
快くOKしてくれた彼女と、まずは演奏する曲目を決める打ち合わせをしましたが、びっくりするほどすんなり進み、そこで彼女の色々な話も聞いたのですが、その話の中でイメージが降りて来たので、僕は彼女に対して一曲、作詞作曲をさせて欲しいとお願いしました。
 
そして昨日の本番。
 
やさしさに包まれたなら」などの名曲のカバーや、オレスカバンドの曲をアコースティックバージョンでやったり、僕の持っている曲を歌ってもらったりと、色々な事をやりましたが、全てに対してリハーサル以上のものを出してくました。
 
終始和やかなムードだけど、演奏はピリリと緊張感があって、凄く演奏しがいがありました。
 
トークで聞いた話は色々ありますが
 
・18歳でデビューして今まで色々あったこと
・幼馴染みのメンバー達とずっと一緒にやってきて衝突もしたけど、今ではそれぞれの良さを認め合っている
・どんな事があっても常に前向きで、ずっと自分達を成長させてきた
・困難もあったけど、音楽を出来ている幸せを考えるとそれも小さいこと
 
などなど、iCasちゃんからは上の過剰書きだけでは伝えきれない、色々な言葉が出てきました。
 
思わず、へぇ〜!と感心したり、凄いなぁと感じる言葉の数々が、すんなりと彼女の口から出てきているけど、それは敢えて良いことを言おうとか、格言めいた言葉を残そうとかいう気持ちではなく、彼女の身体に染み付いている想いなんだというのが、話していると凄く良く分かって、それって凄いなぁと思ったんです。
 
18歳でデビューして、色々経験してきて、この歳の他の人よりも世間を渡り歩いてきて、すいも甘いも色々あったけど、音楽という芯はぶれずにずっとやって来ている。そして今、確実に成長した曲を作って、凄いライブをしている。
 
彼女が肌で感じて、経験して来た上で感じたからこそ、色々な素晴らしい言葉というか、想いが身体に染み付いているんだなぁと感じました。
 
そう考えると、僕は音楽家としての経験はまだまだ浅い。
 
無理に自分を良く見せようとせずとも、色々な事を経験して、学んでいけば、この人のように色々な想いが身体に染み付いていくんではないのかなと思いました。
 
まだまだ未熟だけど、自分にも人間性の伸び代はまだまだあるかもしれない。
 
ある聖人が『右頬を打たれたら左頬も差し出しなさい』と言っていた教えのように、僕もいつか、最後に一つ残ったエビチリを喜んで差し出せるようになるかもしれない。
 
 
なんの話や
 
 
そんなこんなで、この素晴らしいアーティスト、iCasちゃんの"今"をイメージして僕が書き下ろした曲は、僕のイメージを越えたものになりました。
 
成長を続けて、次のステージに行く人の歌。絶対に成功を掴む人の歌。そしてiCasちゃんの歌声に合う曲。そんなことを思い描いて作った曲です。
 
またどこかでこの曲を演奏出来れば良いなぁと思います。
 
 
昨日は本当に、iCasちゃんから色々なことを学ばせてもらいました。
 
そして、忘れてはいけない。昨夜は大阪からわざわざ、ForTuneというバンド(http://www.fortune-official.com/)のトロンボーン奏者すずあんこが駆け付けてくれ、ステージにも参加してくれました。後輩ですが、その意気は本当に素晴らしい。演奏も凄く良かったです。
 
という訳で、お陰さまで、第一回目は凄くメモリアルな回になりました。
 

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来てくれた皆様に感謝です。
iCasちゃんに感謝!すずに感謝!終わった後のビールが美味しすぎる夜でした!
 
パクシンの部屋TOKYOの第2回目は、7/28(火)にワンダフルボーイズ(http://www.wonderfulboys.net/)のボーカリスト、Sundayカミデ氏をゲストにお迎えしてお届け致します!
 
場所は同じく、下北沢cafe/fieldにて、19:30オープン20:00スタートです。
 
予約は、口頭やSNSなど、そしてメールでは
pakshin.official@gmail.com
で受け付けています。
 
学生の頃から見ていて、今も色々教えて貰っているサンデーさん。そんなサンデーさんとどんな一夜をお届けできるか、今から僕も楽しみです!
 
 
今回、凄くやって良かったと思えた事で、これからこのイベントを定期的に続けていくモチベーションができました。
毎月は難しいかもしれないけど、それでも一定のペースで続けていけたらと思います。
 
そして頑張って続けていって色々な経験を積み、勉強していきたいと思います。
 
 
きっとその先、僕は残されたエビチリを喜んで差し出せるような男になれていることでしょう。
 
 
以上、パクシンでした。

先輩と後輩で作ってきた関係が一つのカタチになります

言い方はちょっと悪いけど、僕には舎弟のような存在が何人かいます。と言っても、パシリに走らせたりするような存在として扱ってる訳ではなく、可愛い後輩として、それはもう全幅の信頼を置いて、親友のような付き合いをしている…つもりです。本人たちがどう思ってるかは分からないですからね。
 
『うわ…またパクシンから電話や…めんどくさ…』
 
と思っている可能性はなくはないですけど、例えそんなように思われていたとしても、これからも猫っ可愛がりするぜってぐらいの存在です。
 
その中の一人に、一見何も出来なさそうな気の弱い兄ちゃん風な男がいてまして。普段は95%イモ兄ちゃんを演じ、残りの5%で凄い力を発揮するというちょっと面白いその男に僕は目をかけて接して来ました。
 
出会いは数年前。当時、パクシンの一の右腕だった藤岡という男から紹介を受けたのが初めてだったんですが、第一印象とは裏腹に、ギアをいきなりトップに入れて近鉄電車の車掌アナウンスやジャパネットタカタのモノマネをする彼のその人間性に驚愕して、自分の懐刀として育てることに決めました。
 
学年は被っていないながらも、高校大学が同じという絆的なものもあり、それ以来、よく行動を共にするようになりました。
 
まだカルメラが事務所に所属していなかった時期には、僕が企画することには彼に相談し、微細なことから重要な任務まで色んな事を任せながら、上京した今になっても、カルメラのスタッフとして関西の大きなイベントの時は力を貸してくれています。
 
今では、こちらから連絡しなくても
 
『お疲れ様です。何月何日お手伝いしに行かせてもらっても大丈夫ですか?』
 
と聞いてくるし、人手が欲しくてこちらから電話をすると
 
 
『もしもし。大丈夫です。』
 
 
と、用件も伝えていないのに、すべてを察してOKの返事をくれるという、できる後輩っぷり。
 
先日、母校で凱旋ライブをできたのも、この彼の旗振りでできたようなものです。
 
そんな彼にはいつもしんどい事を頼んで、こちらからお願いすることばかり。俺が何か彼にお返しをしてあげられた事ってあっただろうかと、思い返してみると、彼の持つもの凄い後輩力に対して、自分が先輩としての役割を果たせているかどうかが疑わしくなってきますが、それなりに色々な事を伝えてきたし、教えてきたつもりです。
 
彼は大学院へ進むそうで、将来はちゃんとした企業に勤めるのかもしれない。今の俺の姿ややっていること、想いを伝えて教えても彼の将来にはあまり関係のないことなのかもしれないですが、それでも役に立つことは沢山あるんじゃないかと思って、手塩にかけて育ててきました。
 
育ててきたって偉そうに言っているけど、よく考えたら特に何もしてません。一緒にいて、色々なこと伝えたり愚痴を言ったり、やってほしいことの指示を出したり。そんなもんです。
 
でも彼はぐんぐんと成長しました。ちゃんとNOなことはNOと言うし、与えた宿題には120点満点の解答を返してきます。
 
成長したなぁ…
 
と思ってました。そんな彼。あっ彼の名前久保くんって言うんですけど、そんな久保くんが、ある日こんな事を言いました。
 
 
『自分でイベントをやってみたいです』
 
 
その言葉に僕はもはや驚きもしなかったです。大丈夫。久保くんならできる。僕はその彼に、喜んで色々後押ししますと伝えました。
 
別に大それたイベントじゃなくていい。久保くんなりの、久保くんらしさのあるイベントでいい。学生でイベントを打つという人は他にも沢山いるけど、無理に大きくしようとして色々と穴があったり、逆に内輪色が強かったり、ちゃんと出来てる人はそうはいない。やるなら、それなりに身の丈にあった、"らしさ”のある事をやればいいよと。僕が言ったそんな助言は、もはや久保くんには必要のないことでした。
 
ちゃんと考えていました。
 
『ムンさん(俺)を中心に、うちの大学の軽音楽部出身で音楽活動を精力的にされている方はたくさんいらっしゃいます。これを機会に、ムンさんを中心にしたそういう方が集まったユニットでライブをして欲しいです。音楽的にも絶対に良いし面白いものになると思います。後輩たちも勉強になると思います。お客さんたちも絶対に楽しんで貰える内容になると思います。これからの事はまだ分からないけど、自分がイベントをするならまずはこれからだと思っていました。だから出演お願いできないですか?』
 
彼は僕にそんな事を言いました。こんな事を言われては、いつものように『え〜俺ギャラ高いで〜』みたいなちょっとした冗談も言えず、僕は『喜んでやらせてもらうよ』と即答しました。
 
正直、感動しました。
 
出会ったときは何も知らないちょっと面白い人間。ただの学生だった彼。そんな彼が、自分の背中を見て勝手にいろいろなものを吸収して、自分の想いを胸の中で温め続けていた。そして、俺にこんな相談とオファーをくれた。
 
バンドでも個人でも、オファーを貰えるのは凄く嬉しいしありがたいことだけど、このオファーは物凄く心に残るものでした。
 
そこから彼は忙しい中もいろいろと奮闘し、当日に向けて準備をしています。僕も彼の気持ちに応えるために、当日遊びに来てくれる人たちに絶対に楽しんで貰えるために準備をしています。
 
初回ということで、至らない点もあるかとも思いますが、みなさん、お時間があればこの日、ぜひ遊びに来てみて下さい。
 
 
6/26『flatSPACE』@中崎町commoncafe
Adv/Door ¥2500
出演:PAKshin(カルメラ)・松田礼央・ジュンヤベイベー(HONDENA) ほか
ドリンク・フード持ち込み自由!予約問い合わせflatspace624@gmail.com まで
 
 
 
 
ドリンク、フードは持ち込み自由なので、ワインボトル持ち込むもよし、出前とるもよし、自由に、ざっくばらんに楽しんで下さい!
 
このメンバーに、さらに現在育成中の後輩、学生ながら関西で様々な活動をしているサックスの山下くんや、ゲストボーカルとしてUK BANDのHitomiちゃんにも参加してもらう予定です。
 
先輩と後輩が今まで育んできたものの一つのカタチでもある日。この日を楽しみに、もうちょっと準備を頑張ります!
 
それでは今日はこのへんで。パクシンでした。
 

ゴッドファーザーと重ね合わせるルーツの話

一番好きな映画は何ですか?という質問をされると困る。この質問は対象が本や音楽、アーティストや芸能人に入れ替わってされる ことだけど、何が一番なんて決めることは難しい。別に、もっともっと特別なオンリーワンなんてこと言いたい訳じゃなくて、自分には確固として答えられる『これにめちゃくちゃハマって影響を受けたんです!俺の人生のバイブルです!!』みたいなものが無いんです。ただそれだけです。
 
自分の好きな映画を見返したくなることってあるじゃないですか。それで言うと僕は年に1回はゴッドファーザー3部作を見たくなる時期が来るんですよね。やっぱり不朽の名作だなぁと毎回感じるのです。内容だけじゃなく、全体の雰囲気や演技や、何と言っても音楽が良いってのが何度見ても飽きない理由かなと思うんですけど、世のご婦人方の中には
 
『や〜ね。男の子は。マフィアの映画なんか見ちゃって。憧れかしら?』
 
的な事をチラッとだけでも思ってる人はいてるかもですね。別にマフィア特有の男世界とか、スリリングさに絶大な魅力を感じて見てる訳ではなくて、僕の場合は特にちょっと違ったところに魅力を感じていたりします。
 
僕のルーツは韓国の済州島という小さな島にあります。父母両方の両親はその済州島で生まれ、日本にやって来ました。両親は大阪で生まれ育ち、結婚し、僕が生まれました。
 
本土である半島の文化とは少し違った済州島の文化。その文化の中で育った祖父母と同じ境遇の人たちはたくさんいます。当然、その人たちの結束は強く、何よりも血の繋がりを大事にします。一族の長である祖父を皆が尊敬し、一族皆で助け合い、日本の文化に溶け込みながら、多くはいわば韓国系日本人として生きています。
 
コルレオーネファミリーというマフィアの一家の話でもあるゴッドファーザー
イタリア半島から離れたところにあるシチリア島という島で生まれた初代のドンがアメリカに渡り、子供達はイタリア系アメリカ人として育ちながらも、独自の文化を育みファミリーを形成しているこの映画は、見ていると自分や自分のルーツに呼応するところが沢山ある気がして、人よりも魅入ってしまうのだと思います。
 
まぁ僕の世代にとっては他の日本人と違う所なんかほぼ無いぐらい、もう”日本人”としてのスピリットが根付いていますけど、他国の物語ながらも自分のルーツを考えさせる映画なんですね。
 
ある時、親父が『ゴッドファーザーはようできてる。わしらと似たようなとこいっぱいあるやろう。』と言ってて、当時まだ少年だった僕は完全に頭がハテナだったんですが、今になると、なるほどなと感じる訳です。
 
その後に
 
 
 
『わしもドンやな』
 
 
 
と言ってた意味は今でもちょっと分からないですけど。
 
 
ゴッドファーザーの3部作ではシチリアからアメリカに渡りファミリーを築いた初代のドンから、イタリア系アメリカ人として育った息子にドンの座が引き継がれ、その新しいドンが主人公として進んで行く物語になっているんですが、親父はその主人公に自分を重ね合わせたんでしょうね。
 
まっっっっっったく違うけど。
 
ちなみに主人公役はアル・パチーノなんですよね。
 

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親父よ。どこにこの要素あんねんと。髪の毛生やして出直して来いと言いたいですよ息子は。
 
結婚を4回も経験した親父にとっては、じいちゃんの車壊して半殺しにされかけて教会に逃げ込んだだけじゃない、それなりの人生譚があるみたいですけど、変わらず家族を愛する気まぐれな人のままじじいになってくれれば良いなと思います。
 
そもそもそこに憧れ持っても俺らごく一般の普通の家庭ですやん。
 
 
 
放蕩息子はドンにはなれんぜ。
 
 
 
と言う言葉を、さらにその放蕩息子から送りたいと思います。
 
 
とにかく、自分の家族から愛され、尊敬され、親族友達関係なく周りに囲まれて楽しく生きていけたら良いな。そんな人たちを守って支えていける立派な人間になれれば良いなと思わせる。特に3のラストを見たらより一層そう思う。
 
僕にとってはそんな映画です。
 
それと同時に
 
もうDVDボックス買おうかな。でもきょうびDVDやと画質あれやし、ブルーレイにしようかな。でもブルーレイ観れるやつ持ってないしこれをきっかけに…いや、それは何か違うやん。別に必要ないと思ってるし。でもな〜
 
という副作用に悩まされている日々です。
 
好きな映画の1位に挙げてもいいかもしれないけど、何だかありふれてる感がありすぎて、世間体を気にする小心者と自己顕示欲の塊という醜い性格を併せ持つ僕としてはまだ一歩決め手にかける気がしてるので保留とします。
 
 
あぁ…
 
 
素直になりたい。
 
 
 
以上、パクシンでした。
 

頑固者のマスターと俺

 
いつもよく行く喫茶店のマスターは絵に描いたような頑固者だ。
 
本当に頑固者かどうかは分からないけど、ものすごく頑固者っぽく見える。いつも寡黙で、コーヒーサイフォンを睨みつけるように見ながら、真剣にホットコーヒーを淹れているその様はまさに職人の姿そのもの。常にカウンターの中にいて、新聞を読んでいるかコーヒーを淹れるかだけど、よく見る同年代の常連の集団が来た時は一緒にテーブルを囲んで談笑している。それでも別に饒舌になる訳でもなく、相槌を打つくらいで、僕がまともに発するマスターの声を聞けるのは、たまに言う『いらっしゃいませ』と『ありがとうございました』ぐらいのものです。
 
今までに一度、マスターが積極的に話しているのを聞いたことあるけど、それはこのブログで書いた、イタズラなkissについて熱く語っている時ぐらいかもしれない。

 

pakshin.hatenablog.com

 

 
僕はこのお店に結構な頻度で通っているし、間違いなく常連の一人だと思っている。店にはマスターの奥さんであろうママもいてる。笑顔で接客してくれるそのママには『いつもありがとうございます』と言われる。それって常連やん。
 
そんなママとは正反対の雰囲気のマスターには、一度も常連と認める発言をされたことがない。
 
別に求めている訳ではないし、必要なことでもない。マスターが憮然としているからもう通わないって事はないし、これはこれで距離感が心地良い。
 
もしこれが大阪の喫茶店だったら…
 
『兄ちゃん今日も来たんか!』
 
から始まり、ゆっくりコーヒー飲んで落ち着きたい俺の心境をよそ目に、マシンガントークが繰り広げられるっていうパターンはよくあると思う。仕事何してんの?とか、彼女おるんか?ていう質問は序ノ口で、聞いてもない持病の話や家庭内の問題の話を聞かされ、果ては
 
 
『わしもう死ぬから』
 
 
と、若者が反応に困るシニアジョークランキング堂々の1位のこの言葉を聞かされる。
 
どこもそうって訳じゃないけど、大阪の喫茶店っていうシチュエーション考えるとこの会話のパターンはかなり予想がつく。
 
でもその空気感、実は嫌いじゃない。
 
いつも来てるこの喫茶店の距離感も心地良いけど、そういうフランクな感じも悪くない。行き過ぎは嫌やけど。でも、この店のマスターにそんな事を求めているわけではないです。ええねん。この距離感がええねん。もしかしたら、頑固者のマスターが『若いお前なんかうちの常連とは認めてないぞ』と思っているかもしれないけど、それでええねん。その少し張り詰めた緊張感もええねん。それを優しいママがカバーしてるから尚更それでええねん。それでええねん。それでえーえーえーええねん。
 
 
そんな事を考えながら、今日もいつものようにこの店に来ました。
 
 
いつもホットを頼むけど、今日は気分を変えてアイスコーヒーを注文した。考えてみたら今シーズン初めてのアイスコーヒーかも。そう思っていると、マスターが一言
 
 
 
 
『いつもブラックだけど、アイスコーヒーの時はシロップとミルクどうしますか?』
 
 
 
 
と聞いてきた。
 
 
 
 
!!!!
 
 
 
 
マ、マスター…!
 
 
何て憎い事を…こ、これがあれか…粋ってやつか!
 
 
この発言は、紛れもなくマスターが俺のことをちゃんと認識している上で、俺のいつもの注文まで分かってくれている発言。いつもは寡黙で会話なんてほとんどしたことないけど、注文のタイミングでそれとなくこういう発言をしてくれる、そういう所にグッと来た。別にドヤ顔でもなけりゃ、笑顔でもない、いつもの憮然とした顔と声。普段と何の変わりもない様子でそう聞くマスターに、僕も驚きとちょっと嬉しい感情を隠して、涼しげな表情で『ブラックでお願いします』と返事をしました。
 
運ばれて来たアイスコーヒーを飲みながら、心の中で
 
 
"うわ…にがっ!完全にこれシロップちょっとだけでも入れた方が良いタイプのやつや…"
 
 
と思いながらも、あのやりとりの後に『やっぱシロップ下さい』なんか言えるはずもないので、涼しげな表情で激苦アイスコーヒーを飲みました。
 
 
ええねん。
 
 
今日は滅多にないマスターのデレが出たし、気分が良いからええねん。
 
 
そう思いながら本を読み、自分の時間に浸っていたんですけど、何だか向こうのテーブルが騒がしい。おいおい、何やねん。ここ居酒屋ちゃうぞ…勘弁しろよ、この静かな喫茶店で…と思いながら、そのテーブルの方に目をやると
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マスターめっちゃ喋ってるやん…
 
 
 
 
 
 
 
 
常連っぽい人たちに混ざってマスターめっちゃ喋ってるやん…
 
 
 
 
 
えぇ…俺のあの小さな喜びが極小のシャー芯のような出来事に感じるぐらい、マスターめっちゃ喋ってる…
 
 
 
 
めっちゃ笑ってる…
 
 
 
 
 
 
まぁ…多分、機嫌良かったんやな。
 
あのマスターがそれぐらい機嫌が良いってことは、今日の出来事はやっぱり凄く貴重な事には違い無いんだなと思うことにしました。
 
でも、もしこの先、マスターが好々爺になり、若者が反応に困るシニアジョークランキング堂々1位のあの言葉を浴びせてくるようなことがあるなら、その時は
 
 
『残りの人生、悔いのないように生きて下さいね』
 
 
ってクソ真面目に憮然とした表情で返したろうと思ってます。
 
 
 
何だか最近、東京に馴染めて来た気がする。以上、パクシンでした。